私は小さいころから
成績が悪かったことで親に怒られたって経験が、そういえばない。
気付いたら父親はいなかったし
母親は、父親みたいなものであって
おばあちゃんは成績なんてどうでもいいから
靴をそろえろ、人にはあいさつしろ、というような人だった。
それに母親は聞いてみればとても優秀だったので
きっと自分の子だからそうだろうくらいおもっていたのかもしれない。
しかし私は違った。
まず割り算のあのマーク「÷」がキライだった。
点の上下の位置関係がそろわないときもちわるとおもったし
そもそもこのアンバランスなマークを毎回書かなければならないなんてと
本当にノートに時間がかかった。
ちなみに「＋」が好きだった。（意味不明）
これを母に話したことがある。
母は私にタバコを吸いながら言った。
「あ、なんかわかるー」
しかし私は国語と英語の時間が大好きだった。
国語は本を読むのが好きだったけれども
先生の話は全然聞いていなかった気がする。
先生の音読をたどって読むのは
漫画がアニメ化されるくらい、私の想像をつぶしてくれる行為であったのだ。
ただひたすら作文などに燃えた。
作文は私の全てだと想っていたくらい。
英語の先生はおじいさんだったのだけれども
顔が素敵であった。
いつもカーネルサンダース（ケンタッキー）を想い出せたので
なんだか私はフランス（イメージ）にいる気分であった。
そんなことが幸せで英語だけ学年で２位を獲得してしまった。
しかし家に戻ったって、その２位の成績がうれしいかといったらそうでもない。
靴をそろえたりすることが重要だからだ。
そうだわたしはそもそも２位なんていらなかったんだと気づく。
カーネル、私は私の人生を行くわ。
やっぱり書道しかないと決意、高校を中退したのであった。
（まぁそれだけではないので本当のところはこちらのあとがきでどうぞ）
最近すごくいろんな人に逢うので
実に自分の人生が単純明快であると最近人に話すたびにおもう。
でも私は靴をそろえるし、あいさつもできるので
仕事ではどこでもすぐ重宝がられたとおもう。
いろんなバイトをしていろんな世界を知った。
３１年生きてきて
それがとっても一般的ではないということに気付く事が多い。
それでも私は祖母からたっぷりの愛情をもらって
そんな私が今、子供たちに書道を伝えたりしているわけで・・・
そして我が子が好きなことは
当然０歳から真剣に観察しているわけで。
小筆ちゃん、本が好きだ。
うちには山ほど絵本があるが
その中でなぜか色画用紙に自分でストーリーをつけて読んでくれる。
この自由な発想がとても好き・・・
小さいころから眠る前に
絵本なしで即興でお話を考えて語ってきた。
それはなぜかというと
筆を一日もっていると
絵本をもつのがしんどくなっていたからだ。
それが今は小筆ちゃんにそのまま伝わった。
今考えてみても
祖母は私と妹のごはんをつくったり家を掃除したりすることが必死だったんだとおもう。
それにとてもお嬢様で育った人らしいので
きっとしつけだけはきっちり受けてきたんだと想う。
母は働く事に必死だったんだとおもう。
子供２人に母親の面倒もみていたわけで。
みんなそれぞれ必死で
きっと自分のことは自分でしなさいという発想が
我が家には自然にあったのかなと感じる。
私はここにも書けないような、結構な経験を小さいころからしている。
そういうことを話せる友達も限られている。
でもそれは全て大きな宝だとほんとうにおもう。
人生に正解などないのは当たり前だけど
笑っていられるような毎日にするにはどうしたらいいか？なんてのは
真剣に考える私だ。
それは泥沼の中にいた時期が長かったからだ。
でもそれに今更ながら深く感謝している。
だから私は書いても書いても、次々に作品が書けるんだなきっと・・・。
小筆ちゃんも泥沼にいつか入るんだろうね・・・。
そのときには泥沼につかった経験をハスの花から話してあげたい
自分ではいあがるしかないぞー。なんて。
Ｓａｒｅｎ