はじめての書道Vol8 2013/1/27
いわゆる「お習字」とは違い
こどもたちの表現力や想像力を伸ばすことを目指し、
これまでに100人以上のお子さんにご参加いただいています。
私は2011年筑波大学附属小学校で
小学校3年生に「新しい書写の授業」を指導しました。
その後、2012年カメラの先生としてnaoko氏も同小学校で指導しています。
(桂 聖先生教室にて)
その貴重な経験を活かし
こどもたちに日本文化である「書道」にママと触れながら
書道だけではなく、色々な可能性の小さな自信の種になればと活動を続けています。
ひとりひとりの良さがあり
小さな舞台に立つことで見える
ひとりひとりの笑顔、ひとりひとりの個性。
今回のクラスでもそれをじんわりと感じていました。
わたしがこの日に感じた、子供たちへの想いを書きました。
レポートお届けしますね!
午前A、Bクラスを終え
午後Cクラスがはじまりました、はじめての書道Vol8! 2013/1/27
パパとママも驚いていましたが
「やってみたいひと~」で「はいっ」とひまわりのような笑顔を私にくれたのがRちゃんです。
それはそれはいい笑顔で筆を軽快にもっていました。
わたしのパフォーマンスをじっくり笑顔でみてくれていて
その気持ちがまだノッているかのようでした!
帰りがけもパパとママと
「あんな風に書くとは思わなかった」とお話しをしましたが
小さいころから撮影をしているnaokoも
あまり前に出るようなタイプではなかったRちゃんの変化に
びっくりだったようです。また泣いてました^^;
さてとてもいい雰囲気にしてくれたトップバッターに続いて・・・
迷いなく書き始めたTくん。
びよ~んと伸びた線を1本描きました。
そこに、「+」になるように短い横線をひきます。
よくよく聞いていると、駅名。
短い横線は「駅」でした。
ということは長い線は線路ね!!
とでも名付けましょうか?
おもしろーい!!
彼は自分の一番好きなものを作品にしました。
男の子らしい、とってもかわいい作品です。
おっと後ろで書きたくてウーッとママに抱きつく弟のSくん、次は君だよっ
お兄ちゃんの開発した『語り書道』を弟も継いでます(笑)
かわいすぎる兄弟です。
うんうん?何を語っているのかい?
キミも電車かい、電車はされんさんわからないなぁ、東西線にのってきたよここまで・・・
思わず耳を傾けてしまう私・・・^^;
そして兄弟ならではの、弟へのサービス指導!
これは結構な割合でお兄ちゃんがやる光景ですネ^^
Tちゃんは、からだいっぱいで周囲を感じていました。
みんな私をみてる、ママもみてる、
ちゃんと書けてる?これでいいの?
ドキドキ・・・・・・・・・・
小さな女の子のドキドキと「やりたい」という意欲。
そのドキドキを、ママが優しく見つめている風景を
心ふんわり見つめていました。
まるで彼女の心の中がみえるような女の子らしい表情をするTちゃんですが
伝わるドキドキを感じながらも
彼女のこの真剣な書いている表情はドキドキの分・・・・涙ものです。
小さなころからはじ書にきてくれていたHくん。
カラダだけ大きくなって、でも
まるで絵にかいたような大きな笑顔は変わらずで
なんだか嬉しかったです。
優しそうなパパと同じような大きな笑顔のママに包まれて
描かれたカスレの中に描いた
大胆なマル!
彼の大きな自信と愛を感じました!
すっかり大きくなったSくん。
お友達のHくんと一緒だったのでテンションマックスです↑
背もとても伸びちゃって、なんだか会うたびにお兄さんになります。
机も墨池も、変わらないものを使ってますが・・・
なんだか以前と違います。
わたしが手をもって、書かせてあげました(懐かしくて涙出ます~)
今回はドキンちゃん、パンキンUFOと
ちゃんと「対象」を決めて書いていたSくん。
その変わる成長を見守るママの笑顔だけは、このころと変わっていませんでした^^
3歳4ヶ月のSくんが、迷わず筆に墨をつけた途端
わたしもnaokoも、ママも息をのみました。
サラサラサラと描く色紙にできたのは、文字でもない墨模様。
はじ書によくある風景でした。
でもそれは、違います。
これはSくんのひとつの「成長」の作品なのです。
naokoが「え・・・」と言ってカメラから顔を覗き涙を流したとき
ママもあふれる涙が止まらず
わたしも胸がカァーッ・・・とあつくなり
涙を流すのを我慢するのがハジショのわたしの恒例ルールでもあるのですが
我慢するのがこんなに大変だったときはありません。
+++
振り返れば・・・
Sくんと最初に出会った2011年の6月、はじ書Vol1で
あと2枚、書かせたい。
最初はそう想いました。でも、彼は書きませんでした。
でも、それでいいと、私もnaokoもママも想いました。
そして、それから、少し大きくなったSくん。
なかなかやっぱり、書けません。
みんながみてる、恥ずかしい・・・いろんな想いが彼の中にあるのはわかっていました。
でも、「はじめての書道セット」の筆(おうちで書いているものと同じ)
を見つけた途端かきはじめたんです。
「この点がいつか想い出になります」
わたしはママに言い続けてきました。
皆の前でなかなか書けないSくんの横で
ママはいつもニコニコ見守っていました。
わたしも母です、いろんな想いがママにはあるのがわかります。
でも、わたしもSくんの「そのとき」を一緒に待ちたい。
いつも思っていました。
だって、Sくんは自分のペースで自分の考えがあるんだもんね。
もぉ~頭くしゃくしゃにしちゃうぞぉ~~~~っ
ママと何度も何度も、目を見合わせて
ああこの子も書けるようになったって、スタッフのemiちゃんとうなずきあって
ボロボロにないてるnaokoさんをみて笑いました。
Rくんは2回目の参加です。
いざ書く、となると緊張が走ってしまいうRくん。
寄り添うママと手をつないで書けました!
特別にされんさんの大きな机で書いてみようかぁ~と提案。
みんなが見ていなければ書けるさ
ゆっくりと、ママの笑顔を確認しながら
繊細に、筆をちょっ、ちょっと描いた
まるで京都の老舗料亭に飾ってありそうな雰囲気のある作品が仕上がりました!
お昼寝のタイミングもあり、なかなか書く気になれなかったLくんでしたが
こちらも場所を変更!
下に下敷きを敷いて、Lくんが書くその時を待ちます。
墨をつけてチラチラァ~と楽しいよぉ~と誘ってみたり
あえて私はちょっと場から離れたりして様子をみていました。
そして・・・
しばらくすると、Lくん、しっかりと自分のタイミングで書いてました。
書いた後笑ってくれた顔、忘れないよ^^
+++
日曜日3クラス、合計30名近くの子供達を見送り
わたしたちは、はじ書に教えてもらっているねと
片付けながら話していました。
なかなか書けなかった子が書けるようになるときの喜び。
いつもこう書いていた子が、違うように書くようになるとき。
そしてだんだんと、されんさん~なおこさん~えみさん~と
わたしたちを覚えてくれるようになること。
書道は、生きることにあまり必要な作業ではないかもしれません。
けれど、わたしはこの文化を30年近く続けてきて
自分の中にははっきりとすさまじい集中力があるなとは知っています。
墨をするのは大変ですけれど
墨の香りに包まれていると
小さなころに誉めてくれた祖母の笑顔などが想い出されるときがあります。
筆を洗うことは大変ですけれど
何度も何度も洗って使って、そしてだんだんと使いこなしてきた先に
「この筆じゃなきゃだめ」という自分のお道具になってきます。
わたしは子供たちに必ず言います。
「おどうぐはぜんぶ、いのちなんだよ」
筆の毛は命です。
墨をつくるために、どこかで誰かが真っ黒になって作ってくれています。
わたしたちが書くために
誰かが命を削ってがんばってくれています。
木も、動物も、そして空も、水も全部全部
繋がっています。
私たち人間は
言葉をもちました。
その言葉をもったせいで、人に愛情を伝えられたり、感動を無数のひとに伝えられます。
わたしは、ひとつの作品で
ちょっと落ち込んでしまった人が少し、ほんの少しでも笑顔になれるような
そんな作品をつくるために書き続けています。
細い毛の集まりでいろいろな「書体」を描く事は
すさまじい集中力と忍耐がいるんです。
大きな作品を仕上げると知恵熱が出るのも毎度のことです。
(最近は知恵熱さえ吹き飛ばすようになりましたが)
わたしは小さいころ、
きっとはじ書にきてくれている子供たちのころ
正座で書を書かせるところで習いました。
正座は痛かったけど、今でも大切なものは正座ではないと書けません
それは着物を着ると背筋が伸びるのと一緒です。
師匠はとても優しくて、とても誉めるのが上手で行くのが楽しみでした。
絵を書く事が好きで、手紙を書く事が大好きで
書道は白い紙を広げるだけで胸がいっぱいになりました。
文鎮で半紙をのばすと気持ちがスッキリしたし
筆に想いをこめて描くことも、あたりまえのようにしていました。
そんな私は
12歳のころに、生きることに疑問をもち
14歳のころには、書道家になると決めました。
今考えるとそれはとても娘には経験させたくないような
そんなちょっとしんどい自分の歴史なのですが^^;
だからこそ、私は多分
こどもたちが従来、しんどい授業・・・だと思われがち?な
「書道」で感じたこの
絶大なる幸福感(笑)を伝えられると思っています。
そのために、日々いろんなことにキョロキョロして
楽しい授業をつくるためにいろんなことを考えてます^^;
それが書道だけじゃなくて
生きることの楽しさにつながると信じているからです。
その最初が「はじめての書道」です。
ご参加のみなさま本当にありがとうございました。
次回開催日が決まりましたらご報告させていただきますね!
永田紗戀
ひらがなのぼうけんワークショップ2013/3/20(祝)
現在、お申込み受付中です (えんぴつでの指導です)
→ http://ameblo.jp/tadako-n/entry-11475725034.html
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●はじめての書道公式ページ
http://www.saren.net/hajisho.html
●この素敵な写真を撮影した
現在こどもチャレンジの撮影をしているバロンフォトワーク
naokoの目線からみたレポートはこちらから
午前A http://ameblo.jp/tadako-n/entry-11473312512.html
午後B http://ameblo.jp/tadako-n/entry-11474412565.html
午後C http://ameblo.jp/tadako-n/entry-11474425450.html
●保育園5歳クラス@永田紗戀の出張書道教室レポートはこちら
http://ameblo.jp/saren/theme-10065071386.html
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