真っ白な靴を履いた朝、卯月の桜。
私が好きな言葉のひとつ。
ココシャネル
「翼をもたずに生まれてきたのなら、翼をはやすためにどんなことでもしなさい」
これは私みたいな女の心に、春、響くものですね。
そう、どんなことでもしてきました。きっと。
桜が咲く度に私はいつも自分の一年を振り返ります。
高い壁がわたしの前に立ちはだかれば
私は結局、それを突き破るようにのぼってきたし
周りはそんな私を「強い強い」と言ってました。
だってその壁を背にして、逃げることなんて
またその壁が反対側にそびえ立つことくらい、わかってますから。
誰かに助けて、と言えるようになってきたのは最近かな。
「強い」
言われるたびに「そうよ」って顔して
そんなんで35年、慣れすぎです。
今日のメイクの仕上がりは気になるくせに
私の生き方を、誰かにどう見られるなんて、私にはどうでもいいことなのです。
だってこの私の不器用でダメな生き方こそ
全部作品にするのが私の仕事なのだから。
そういう意味できっと強いんですよ、私。
でも私はこの翼がツクリモノだってことも
隠すつもりもないんですよ。
それが私の強さなんです。
桜の下にいると、強さをもらえます。
永田紗戀